MS.とMrs.はどう違う?男性と女性の敬称の正しい使い方や注意点をおさらい
英語の敬称には、「Mr.」「Ms.」「Mrs.」「Dr.」などさまざまな種類がありますが、特に迷いやすいのが 「Ms.」と「Mrs.」の違いです。
ビジネスメールや英語の文章で正しく使い分けるためには、それぞれの意味や使われ方を理解しておくことが大切です。
また、男性と女性では敬称のルールや考え方にも違いがあります。
この記事では、Ms. と Mrs. の違いを中心に、男性・女性の敬称の基本的な使い方や注意点をわかりやすくおさらいします。
英語の Ms./Mrs.とは?
英語で相手を呼ぶ際、名前の前に付ける「Mr.」や「Ms.」などの敬称があります。
日本語の「〜さん」や「〜様」にあたる非常に重要な表現ですが、特に女性に対する Ms. と Mrs. の使い分けに迷う方は多いのではないでしょうか。
今回は、それぞれの違いや職業別の敬称まで分かりやすく解説します。
敬称とは
敬称とは、相手への敬意を表すために名前の前に付ける言葉で、英語では Title(タイトル) と呼びます。日本語の「〜さん」「〜様」「〜先生」に近い役割を果たすものです。
代表的な例として、次のようなものがあります。
- Mr. Smith
- Ms. Brown
- Dr. Lee
英語圏では、特に初対面の相手やフォーマルなビジネスシーンにおいて、敬称を正しく使うことがマナーとして非常に重視されています。
Ms./Mrs. の違い

女性の敬称には、主に既婚・独身を問わない Ms.(ミズ) と、既婚女性に用いられる Mrs.(ミセス) という2つの選択肢があります。
本来の定義では、相手が「既婚か独身か」によってこれらを使い分けますが、現代のビジネスや公式な場では、相手のプライベートな状況に関わらず Ms. を使うのが最も一般的でスマートなマナーとされています。
Mrs. は、本人がその呼び方を明示している場合や、伝統を重んじる場面で「既婚」というアイデンティティを尊重して使われる表現です。
Ms./Mrs. の発音の仕方
敬称は書き言葉だけでなく、実際の会話での発音も混乱しやすいポイントです。正しく使い分けるために、次の違いを確認しておきましょう。
- Ms.:/miz/
- Mrs.:/ˈmɪsɪz/
特に Ms. は「ミズ」とはっきり濁って発音するのが特徴です。
ビジネスの対面シーンや電話で相手を呼ぶ際は、この発音の違いを意識することで、よりスムーズで正確なコミュニケーションが可能になります。
Ms. Mrs がわからない時はどう判断するのか
Mrs. は既婚女性に限定されるため、相手の状況を知らずに使うと失礼にあたる可能性があります。
一方で、Ms. は結婚の有無に関わらず使えるため、プライバシーに配慮した無難な敬称として広く定着しています。
ビジネスメールや公的な文書でも、相手の希望が分からない限りは Ms. を選ぶのがもっともスマートです。
敬称の違いを理解しよう|性別に基づく呼び方
英語の敬称には、性別によって使い分ける基本的なルールがあります。まずは、日常やビジネスで頻繁に目にする主要な敬称を整理しておきましょう。
女性に使われる呼び方
女性に使われる主な敬称は、次の3つに分類されます。
- Ms.:結婚状況に関係なく使える(もっとも一般的)
- Mrs.:既婚女性
- Miss:未婚女性(やや古い印象を与える場合がある)
かつては未婚・既婚で呼び分けるのが一般的でしたが、現在のビジネス英語では、相手のプライバシーに踏み込まない Ms. が標準的な表現として定着しています。
性別が不明な場合の呼び方
ジェンダーニュートラルな敬称には、「Esquire」や「Mx.」などがあります。
- Esq.:主に弁護士などへ使われる、名前の後に添える敬称(〜様・〜殿)
- Mx.:性別を特定しないニュートラルな敬称(イギリスを中心に普及)
Esq.(エスクワイア)は、名前の後ろに置くことが大きな特徴です(例:Yu Tanaka, Esq.)。
現代では主に法律専門職への敬称として定着しています。
Mx.(ミクス/マクス)は、「性別を決めつけない」という配慮から生まれた比較的新しい表現です。相手がこの敬称を自ら使っている場合や、多様性を重視する公的な場面で選ばれることが増えています。
性別がわからずどの敬称を使うべきか迷った際、無理に敬称を使わず、次のような方法で対応すると確実です。
- フルネームを使う(敬称を付けない)
- 「Dear Customer」や「Dear Hiring Manager」など、役職や役割で呼ぶ
特にビジネスメールでは、相手を特定しつつ失礼のない、次のような書き方がよく使われます。
例:
Dear Taylor Smith, (名前がわかっている場合)
Dear Hiring Manager, (採用担当者様)
男性に使われる呼び方
男性に対して使われる敬称は、基本的に Mr.(ミスター)のひとつだけです。
女性の敬称(Ms. / Mrs.)とは異なり、男性の場合は結婚しているかどうかにかかわらず、すべて Mr. を使います。
例:
Mr. Johnson(ジョンソンさん)
Mr. Lee(リーさん)
Ms./Mr.以外にもある 職業に応じた英語の称号
英語には、性別による敬称だけでなく、職業や立場に基づいた独自の称号があります。
相手の専門性や社会的な役割を尊重する意味合いが強いため、アカデミックな分野や公的な場では、Mr. や Ms. よりも優先して使われることが一般的です。
医療に関わる職業の敬称
医療や学術の分野では、次のような特別な敬称が使われます。
- Dr.(Doctor):医師、または博士号(PhD)を持つ研究者
- Prof.(Professor):大学教授
例:
Dr. Brown(ブラウン博士/先生)
Prof. Wilson(ウィルソン教授)
医療の現場では、個人の功績への敬意を込めて、一般的な「Mr. / Ms.」よりもこれらの称号を優先して使うのがマナーです。
政治分野で使われる称号
政治の分野では、個人の名前の前に具体的な役職名を敬称として用います。これらは公的な場での敬意を示す重要な称号です。
- President(大統領)
- Senator(上院議員)
- Governor(州知事)
例:
President Adams(アダムズ大統領)
Senator Smith(スミス上院議員)
このように、政治家に対しては「Mr./Ms.」よりも役職名を優先して呼ぶのが通例です。
王室・貴族の称号
王室制度のある国々では、その立場に応じた特別な称号が使われます。
非常に格式高い表現であり、公式な場でのマナーとして欠かせません。
- King / Queen(国王/女王)
- Prince / Princess(王子/王女・公妃)
- Lord / Lady(卿/レディ・貴婦人)
例:
King Charles(チャールズ国王)
Princess Catherine(キャサリン皇太子妃)
Lord Byron(バイロン卿)
これらの称号は、主にイギリスなどの王室制度を持つ国で、公式な行事や報道などで日常的に使われています。
軍事関連の階級・呼称
軍隊や一部の公的組織では、個人の階級に基づいた呼称が使われます。これらは組織内の秩序と敬意を示すための重要な称号です。
- General(将軍)
- Colonel(大佐)
- Captain(大尉/船長)
例:
General Smith(スミス将軍)
Captain Brown(ブラウン大尉)
映画やニュースなどでも耳にすることが多いこれらの呼称は、その人物の職責や功績を尊重する意味合いも含まれています。
敬称を使う時の注意点
英語の敬称を正しく使うためには、いくつか守るべきマナーがあります。特にビジネスシーンでは、誤った使い方をすると不自然な印象を与えてしまうため注意しましょう。
メールを送る際に相手の性別がわからない時の対処法
相手の性別が判断できない場合、無理に Ms. や Mr. を使う必要はありません。不適切な敬称を選んでしまうよりも、次のような表現を使うのが一般的でスマートです。
◼︎役割や部署名で呼ぶ
相手の氏名が不明な場合や、特定の担当部署に送る際に便利です。
例:
Dear Customer(お客様へ)
Dear Hiring Manager(採用担当者様)
Dear Support Team(サポートチーム御中)
◼︎フルネームを敬称なしで使う
相手の名前がわかっている場合は、敬称を省いてフルネームで記載する方法もあります。
例:
Dear Alex Taylor,
このように、ビジネスメールでは性別に依存しない柔軟な書き方が広く受け入れられています。
敬称は「名字」または「フルネーム」に付ける
英語の敬称を使う際の基本的なルールとして、ファーストネーム(名前)だけに敬称を付けてはいけないことがあげられます。
日本語では「太郎さん」のように名前だけで呼ぶことも多いですが、英語で「Mr. Taro」とするのは、子供向けのアニメや非常に親しい間柄での冗談を除き、基本的にはマナー違反となります。
- 正しい例(山田太郎さんの場合):
(O) Mr. Yamada (名字のみ:最も一般的)
(O) Mr. Taro Yamada (フルネーム:丁寧・公式) - 間違いの例:
(X) Mr. Taro (ファーストネームのみ:NG)
ビジネスシーンやフォーマルな文書では、相手との距離感に関わらず「Mr. /Ms. + 名字(またはフルネーム)」を徹底しましょう。
敬称の後の「ピリオド」に注意する
「Mr.」や「Ms.」などの末尾に付くピリオドは「敬称を省略している」ことを示す印です。
- Mr.(Mister の略)
- Mrs.(Mistress の略)
- Ms.(例外として初めからピリオドを付ける)
一方で、Miss にはピリオドを付けません。これは「Miss」自体が省略されていないひとつの単語だからです。
なお、イギリス英語では「Mr/Ms」のようにピリオドを省略して書くスタイルが一般的ですが、アメリカ英語や日本のビジネス英語の教材では、ピリオドを付ける形が標準とされています。
どちらか迷った際はピリオドを付けるスタイルを選びましょう。
親しくなったら「ファーストネーム」に切り替える
英語圏では、たとえビジネスシーンであっても、一度面識ができて信頼関係が築かれると、ファーストネームに切り替えて呼び合うことが一般的です。
いつまでも「Mr.」や「Ms.」を付けて呼び続けていると、相手に「まだ距離を置かれている」「よそよそしい」と感じさせてしまうことがあります。
- 同僚やチームメンバー: 基本的に初日から、あるいは早い段階でファーストネームで呼び合います。
- 取引先や目上の人: 相手から「Please call me [名前].(〜と呼んでください)」と言われたら、次からは遠慮なくファーストネームに切り替えましょう。
敬称を正しく使うことは大切ですが、相手との親密度に合わせて柔軟に呼び方を変えることも、スムーズな人間関係を築くための重要なマナーです。
英語の敬称を正しく理解しよう
英語の敬称は、日本語の「さん」や「様」と似た役割を持っています。しかし、英語では性別・職業・立場によって敬称が細かく変わることが大きな特徴です。
特に押さえておきたいポイントは、次の3つです。
- Ms. は、結婚状況に関係なく使える女性の敬称。
- Mrs. は、既婚女性に対して使われる伝統的な敬称。
- どちらか迷った場合は、Ms. を使うのがもっとも安全で一般的。
英語のメールやビジネスシーンにおいて、敬称を正しく使い分けることは、相手への敬意を正しく伝える第一歩です。
まずは基本のルールをしっかり押さえて、自信を持ってコミュニケーションを楽しんでいきましょう。