日本語の英語は通じる?和製英語の正体と言い換え表現のまとめ
日常に溢れるカタカナ英語。しかし、そのなかには日本でしか通じない「和製英語」が数多く紛れ込んでいます。
せっかく覚えた表現も、いざ海外で使ってみたら意味が通じなかった。そんな失敗を防ぐために、本記事では日本人が間違いやすい和製英語を詳しく解説します。
日本語の英語はどれくらい通じるのか?
テレビや広告、ビジネスシーンなど、私たちの身の回りには英語由来の言葉があふれています。しかし、そのすべてが海外で通じるとは限りません。
日本には独自の意味で使われる「和製英語」が多く、和製英語のまま使っても相手を困惑させてしまったり、まったく違う意味で伝わったりすることがあります。
英語学習者にとって、この「知っているつもり」の言葉は意外な落とし穴になりがちです。
和製英語はどんな場合に通じやすい?
和製英語のなかには、相手になんとなく意味を推測してもらえるものがあります。特に英語の単語をそのまま組み合わせた表現は、文脈から内容を想像しやすいからです。
たとえば、「マイブーム(my boom)」や「モーニングコール(morning call)」などがその一例です。
これらはネイティブが使う自然な英語ではありませんが、使われている単語の意味から、言いたいことが伝わる場合があります。
また、アニメや日本食など、日本独自の文化や商品と結びついた言葉が、そのまま英語圏で定着しているケースも増えています。
とはいえ、すべての和製英語が通用するわけではありません。スムーズな会話のためには、やはり「通じるかどうか」の境界線を知っておくことが大切です。
そもそも和製英語とは何か?
和製英語は、一見すると英語のように聞こえますが、実際には日本国内だけで通用する「日本語」の一種といえます。
英語のフレーズを短縮したものや、本来とは異なる意味で定着したものなど、その成り立ちはさまざまです。
日常的に使っている言葉でも、ネイティブにはまったく通じなかったり、誤解を招いたりする原因になることがあります。
和製英語がどのように生まれ、どのような特徴があるのか、その基本を確認していきましょう。
和製英語の定義
和製英語とは、英語の単語をベースに日本で独自に作られた言葉のことです。主な特徴として、以下の3点が挙げられます。
- 英語の単語を組み合わせて作られている
- 日本独自の意味やニュアンスで定着している
- 英語圏では一般的に使われない
たとえば、「サラリーマン」は日本では会社員を指す一般的な言葉ですが、英語圏では通じません。英語では「office worker」や「business person」と表現するのが普通です。
このように、見た目は英語のようでも、実は日本独自のルールで成り立っているのが和製英語の正体です。
なぜ日本語の英語(和製英語)は生まれたのか
和製英語がこれほど定着した背景には、日本の歴史や文化が深く関わっています。
まず、明治時代以降の急速な西洋化が挙げられます。新しい概念や文化が次々と入ってくるなかで、それらを表現するために英語が積極的に取り入れられました。
その際、日本人が発音しやすく、理解しやすい形へと独自にアレンジしたことが、和製英語の始まりといわれています。
また、広告やメディアの影響も無視できません。カタカナ英語は「おしゃれ」「新しい」といったポジティブなイメージを与えやすいため、商品名やキャッチコピーとして盛んに作られてきました。
こうした「言葉のローカライズ」が積み重なった結果、日本独自の英語表現が日常に深く根付いたのです。
通じづらい日本語の英語|よくある和製英語例
私たちが日常的に使っているカタカナ英語のなかには、英語圏ではまったく通じないものが数多く存在します。良かれと思って使った言葉が原因で、思わぬ誤解を招いてしまうことも少なくありません。
ここでは、日本人が特につまずきやすい代表的な和製英語をピックアップしました。どのような言葉が「日本限定」の表現なのか、具体的な例を見ていきましょう。
日常会話で使いがちな和製英語
日々の暮らしのなかで、私たちは無意識に和製英語を使いがちです。日本ではごく自然な言葉でも、海外ではまったく通じなかったり、驚かれたりすることがあります。
特によくある間違いをまとめました。
| 和製英語 | 本来の英語表現 |
|---|---|
| コンセント | outlet / power outlet |
| サラリーマン | office worker |
| マンション | apartment |
| ホッチキス | stapler |
特に注意したいのが「マンション」です。英語で mansion というと、ハリウッドスターが住むような「超豪邸」を指します。
一般的な集合住宅のつもりで使うと、大きな誤解を招くかもしれません。
ビジネスで注意したい和製英語
| 和製英語 | 自然な英語 |
|---|---|
| アポイント | appointment |
| クレーム | complaint |
| ノルマ | quota / target |
特に注意が必要なのが「クレーム」です。英語の claim は本来「権利を主張する」「(真実だと)言い張る」といった意味で、日本語のような「苦情」というニュアンスは含まれません。
相手に不満を伝えたい場合は、必ず complaint を使うようにしましょう。
正しい英語への言い換え表現
和製英語は私たちの生活に深く根付いているため、日本独自のものを見分けることは簡単ではありません。
しかし、正しい言い換えを知っておくだけで、英語でのコミュニケーションはぐっとスムーズになります。
ここでは、日常やビジネスで間違いやすい和製英語を整理し、海外でもそのまま使える自然な英語表現をまとめました。
自分の知識をアップデートする感覚でチェックしていきましょう。
そのまま使うとNGな表現の言い換え例
和製英語の多くは、日本語をそのまま変換して不自然になっているケースが見られます。
よくあるNG例と、自然な言い換えをまとめました。
・アポを取る
(X)take an appointment
(O)make an appointment
・予約をする
(X)get a reservation
(O)make a reservation
・苦情に対応する
(X)take a claim
(O)handle a complaint
・ミスをする
(X)do a mistake
(O)make a mistake
・決断をする
(X)do a decision
(O)make a decision
・宿題をする
(X)make homework
(O)do homework
和製英語の多くは、日本語の語順や発想をそのまま英語に置き換えてしまうことで生まれます。英語では 単語単体ではなく、動詞+名詞の自然な組み合わせ(コロケーション) で表現することが重要です。
自然に伝わる英語フレーズ
和製英語の「落とし穴」を避ける一番の近道は、ネイティブが日常的に使う定番フレーズをそのまま覚えてしまうことです。
単語をパズルのように組み合わせるよりも、自然でスムーズなコミュニケーションが可能になります。
よく使われる便利なフレーズをいくつか紹介します。
日本語:ちょっと難しいです
(X)It is a little difficult.
(O)That might be challenging.
(O)That could be tough.
日本語:よろしくお願いします
(X)Please treat me well.
(O)I look forward to working with you.
日本語:引き続きよろしくお願いします
(X)Please continue to support me.
(O)Thank you for your continued support.
日本語:大丈夫です
(X)It is OK.
(O)That works for me.
(O)No problem.
日本語:トイレに行ってもいいですか?
(X)May I go to the toilet?(学校英語感)
(O)Can I use the restroom?
こうした決まり文句をストックしておくことで、和製英語に頼らなくても自信を持って会話を進められるようになります。
海外で通じる日本語もある?英語になった日本語
和製英語とは対照的に、日本語がそのまま英語(Loanwords)として世界中で通じるケースも増えています。
日本独自の文化や概念が海外へ広まるにつれ、英語の辞書に載るほど定着した言葉も少なくありません。
日本の言葉がどのように世界で親しまれているのか、代表的な例を見ていきましょう。
英語として定着している日本語
日本文化が世界へ広がるにつれ、日本語がそのまま英語として定着した例もたくさんあります。これらは翻訳する必要がなく、世界中でそのまま通じる言葉です。
代表的な例を見てみましょう。
- sushi / ramen(日本食)
- karaoke(カラオケ)
- tsunami(津波)
英語の辞書にも掲載されており、今や立派な英単語として扱われています。
意味が通じる面白い日本語
特定の文化を象徴する言葉は、翻訳されることなくそのままの単語で世界中に浸透しています。
単なる単語の枠を超え、海外で独自の進化を遂げている点が非常にユニークです。
- ninja(忍者)
身のこなしが軽やかな動きに対して、Whoa, Ninja warrior! という表現があります。単なる歴史上の人物以上の表現として使われています。 - samurai(侍)
「最後の一人になってもやり抜く責任感の強い人」を指して使われることもあります。ビジネスの場でも、強い信念を持つ人を称えるリスペクトを込めた表現として使われます。 - anime(アニメ)
「何のアニメが好き?」という質問は、今や世界中で通用する魔法のフレーズです。かつての「天気の話」と同じくらい、あるいはそれ以上に、年齢や国籍を超えて一気に打ち解けられるコミュニケーションツールになっています。
こうしたキーワードをきっかけに、「実は日本ではこういう意味もあるんだよ」と一歩踏み込んだ会話ができると、その場がさらに盛り上がります。
海外で通じるアニメの日本語
アニメ文化の爆発的な普及により、最近では若い世代を中心に、ごく普通の会話のなか中で日本語が飛び出すシーンも増えています。
- senpai(先輩)
- kawaii(かわいい)
- otaku(オタク)
SNSやインターネットコミュニティを通じて共通のニュアンスを持つ言葉として定着しました。
得に「senpai」や「kawaii」は、英語にはない独特の響きを持つ言葉として、そのままの形で使われている場合があります。
そのままの英語として使われている日本食
日本食は今や世界中で知られており、そのまま英語として通じる言葉が沢山あります。
- sushi(寿司)
- tempura(天ぷら)
- miso(味噌)
- wasabi(わさび)
世界各地で日本食レストランが増えたことで、これらの言葉は特別な説明がなくても通じるほど一般的になりました。
海外のスーパーで普通に「Miso」や「Wasabi」が売られている光景も、今では珍しくありません。
英語学習で和製英語に引っかからないコツ
和製英語は私たちの生活に深く根付いているため、どれが通じるかを瞬時に見分けることは簡単ではありません。
せっかく覚えた言葉が通じないともどかしいものですが、いくつかのポイントを意識するだけで、こうしたミスはぐっと減らせます。
無意識に使ってしまう和製英語を卒業し、海外でもスムーズに伝わる「生きた英語」を身につけるためのヒントを整理しました。
和製英語を見抜く考え方
和製英語のワナを避けるためには、単語を置き換えるのではなく「この表現は本当に英語圏で使われているか?」という視点を持つことが大切です。
日本語の感覚で英語を組み立てるのではなく、以下の違いを常に意識してみましょう。
- 日本語の直訳(カタカナをそのまま使う)→ 意味が通じない、または不自然な英語になりやすい
例:
Salaryman(サラリーマン)英語では Office worker や Employee
Mansion(マンション)英語では Apartment や Condo - 自然な英語(ネイティブの表現を借りる)→ 英語特有の言い回しや、文脈に合った言葉選び
例:
dinner(外食)→Eat out
service(店のおごり・サービス)→On the house
「自分が知っているカタカナ語は、もしかしたら日本独自のアレンジかもしれない」と一歩立ち止まって考える習慣が、自然な英語への第一歩となります。
英語力を伸ばすための正しい付き合い方
和製英語を決して使ってはいけないという訳ではありません。日本語としてのコミュニケーションを豊かにしてくれますし、英語に興味を持つきっかけにもなります。
大切なのは、日本語で使う場面と、英語で話す場面をしっかり切り替えることです。
英語力を伸ばすためには次のような学習方法がおすすめです。
- ネイティブが使うフレーズを覚える
単語単位ではなく、Eat out(外食する)や On the house(店のおごり)のように、ネイティブが日常で使う「塊(かたまり)」で覚える。 - 英語の例文をそのまま覚える
例文ごと覚えることで、自然な英語が口から出てくるようになる。 - 実際の英語音声を多く聞く
ネイティブを大量にインプットすることで、和製英語に対して敏感になる。
こうした「真の英語」に触れる時間を増やすことで、耳が慣れてきたり、記憶として定着したりと、自然な英語表現をインプットできます。
和製英語を見分けて英語でのコミュニケーションを増やそう
和製英語は、日本の文化のなかで独自に育まれてきた、便利で親しみやすい言葉です。
しかし、スムーズなコミュニケーションを目指すなら、和製英語が「日本限定」の表現であることを理解しておく必要があります。
日本語として親しんできた和製英語の背景を知り、自然な英語にアップデートしていくことで、コミュニケーションを楽しむことができるようになります。
和製英語をきっかけに、世界が広がる楽しさをぜひ体感してみてください。